*Hiroshima-Terminal* 広島駅と都市開発について考えてみます

大きく変化しつつある広島駅の計画を中心として、広島の街について考えてみたいと思います。

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広電駅前大橋ルート(14) - 白島新駅の記事から、ルート決定と地盤の話

先週の土曜日、中国新聞に「駅前大橋ルートの決定は夏に延期される」との記事が載ったそうです。
しかし私は見落としていまして、改めて探してみたら、見つけました。

120222_shinhakushimasta.jpg

白島新駅 連絡通路簡素化」の記事の末尾に、関連情報として下記内容が記載されています。

また、総括質問で市はJR広島駅南口(南区)に乗り入れる広島電鉄の新路線「駅前大橋線」で、今夏までにルートを決める方針を示した。投書は3月末までの、平面、地下、高架の3ルートから絞り込む予定だった。

だいたい「総括質問」とは何なのかこの記事では全く触れていないので、なぜ白島新駅に関する内容として駅前大橋ルートの件が記載されたのかさっぱりわかりません。
それ以前に、中国新聞がこれまで度々取り上げてきた駅前大橋ルートについて、非常に重要な情報をここまで小出しにしてしまったことに驚きを隠せません

この記事の「本題」である白島新駅の設計変更については、せっかく決定したシーラカンス案の利点を潰すのではないかと心配になってしまいます。
シーラカンス案はJR駅とアストラム駅をトンネル状の構造物でつなぐもので、穴あき屋根のかかった半屋外の広場空間を作ることが特徴でした。
しかし、屋根(トンネル状空間)を短縮してしまうと、シーラカンスが意図していた「半屋外」とは違った空間になってしまいますね。
さらに、「簡易な覆い」部分のデザインは、あの特徴的な「トンネル」と調和しますかね?
白塗りコンクリートの量感のあるトンネルに対し、よくペデで使われるような鉄骨に半透明ガラスを張った軽い(そして安い)屋根が似合うとは思えません。

そのように軽い屋根を使うのなら、最初から坂茂案の膜屋根広場にしたほうが良かったのでは……
(個人的にはシーラカンス案は好きではなく、引き合いに出した坂茂案もとくに惹かれたわけではなく、ワークヴィジョンズ案が好きだったのですが、それはそれとして。)


設計変更の大本の原因になった「追加の地盤工事」に関しては、よくあることであり、仕方ないことだと思います。
地盤については、工事にとりかからないとわからない部分がどうしても出てきますから。
しかし、これが駅のデザインにまで影響するほどになるとは驚きました。



駅前大橋ルートの話に戻しますと、
「地面の下は、掘ってみるまでわからない」わけですから、地下構造が大規模になる地下案や高架案は、当初想定していた工費を上回ることを想定しておく必要があるでしょう。
広島市のデルタ地区は地下水位が高く、地盤が弱いのですから白島新駅でおきた「地盤の追加工事」が駅前大橋で起きない保証はありません。

とくに地下案は、私のこれまでの記事でも取り上げたように、ぎりぎりの場所を縫ってトンネルを掘ることになるため、少しでも想定外が起こると建設費の高騰を招くことが必至でしょう。
(京橋町交差点路盤下、駅前大橋橋台、猿猴川河底、既存地下広場基礎下、の4か所をそれぞれぎりぎりでかわすように掘るため、地下工事が既存の道路や地下道を沈下させたり、地下水面下・河底で多量に出水したりする可能性が十分に考えられます)

高架案にしても、既存地下通路がある場所に杭を打つ必要があり、(場合によっては)駅前大橋橋台の補強が必要になるため、やはり地下工事が難工事になるでしょう。

では、高架案の地下工事はどうするのか、頭の中で考えてはいるのですが、いつものように描く時間が取れません。
またそのうち私の考えをご説明しますので、今日の記事は「予告」ということでお願いします。
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  1. 2012/02/22(水) 23:47:24|
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広電駅前大橋ルート(13) - 高架案プランA・プランB

ずっと描くつもりだった別案を描いてみました。
詳細な説明は、また追記します。<12/02/13追記しました>

上に、前回出したものとだいたい同じ内容(プランA)、
下に、市検討案やみなさんの意見から浮かんだ内容を描いてみたもの(プランB)
を掲載します。

120211_viaductplan_a.png

120211_viaductplan_b.png

■プランB の趣旨<以下、12/02/13追記>

市検討案を基にした扇型の構成ですが、折返し線路をつけています。
折返し線路をつけた理由は
・夜間などに駅においておける電車の数が増やせること
・乗車ホーム、降車ホームを一面ずつにできること   です。

まず、降車ホームの考え方について。
広電では運賃回収を係員が行わなければならないため、原則として進行方向左側の扉から降車することになっています。
これを踏まえて、
市検討案を描いた際に両端のホームを「降車ホーム」と書いたら、東側(下側)に関して運賃回収ができなくなるという問題が発覚したこと
GKさんから「降車ホームの先に改札を集約して運賃を回収するほうが、降車がスムーズにできて効率がいい」との指摘を頂いたこと
を考えた結果、降車ホームを一面にして、そのホーム上に改札(精算所)をつくるのが合理的かな、と考えたものです。
改札が「―」になっているところはICカードリーダー、「□」になっているところは現金精算用の有人改札と考えています。

乗車ホームについては、やはりJRに接続する側に配置して「正面の電車に乗ればいい」状態にしてあります。
しかし、比治山線のホームを分けられないことが、この案の弱点です。
(電車の発車するホームはランダムにするか、「広島港ゆき(市役所/比治山経由)」「十日市方面」で分けるか)
なお、ホーム上にある「○」は 案内板+電光掲示板+券売・チャージ機 を○型の壁に埋め込んだものとします。

電車の折り返しは手間がかかりますが、降り場ホーム到着時に交替の運転士が反対側の運転席に乗り込み、
運転士2人で操作して折り返したあと、広島駅までの運転士が降りる、
という流れでスムーズにできそうと思ったのですが、問題があるかもしれません。
  1. 2012/02/11(土) 04:44:48|
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広電駅前大橋ルート(12) - 改めて、市の検討案を再検討します。

高架案の試案について、いろいろな方からご意見をいただきました。ありがとうございます。
いただいたご意見も併せて、また別案を描いてみたいんですが、なかなか時間が取れません。

ところで、今回はそもそも議論の前提になっていた、市の検討案を改めて検討し直します。

以前の記事に、GKさんから、以下のコメントをいただきました。

地下3階に繋ぐルートでも、猿猴川の下をくぐる部分に勾配を持たせたらもっとゆるいルートになるのではないでしょうか
また、高架ルートでも橋に手を加えないよう北詰から勾配を立ち上げたら別の数値が出るのではないでしょうか
(個人的には上記2ルートが市の試算した45‰により近くなるのではないかと思っています)


市の検討資料(→pdf)に記載された図では、私が描いていたのと異なり、勾配は高架・地下ともに4.5%(45‰)、緩和勾配なしとして描いてあります。
その違いを、GKさんは「地下案が猿猴川までずっと同じ深さのため勾配が急」「高架案は駅前大橋から勾配が始まっているため勾配が緩い」という2点が理由かと考察されていたので、それに対して私はこのようにお返事しました。

>猿猴川の下をくぐる部分に勾配を持たせたらもっとゆるいルートになるのではないでしょうか
広島市の検討案では、猿猴川の河床からトンネル躯体の上端まで2m以上の離隔が必要とされています。
だから、猿猴川を潜る前に地下15mへ降りなければならないものとして計算したのでした。
しかし、猿猴川の下で最低限必要な深さについては計算していなかったので、求めてみます。

まず、猿猴川の河床の高さについては明確な根拠が無いのですが、汽水域らしく満潮時と干潮時で水面が大きく違いますので、干潮時の海面よりは低いということになります。
気象庁のWebサイトで見られる、広島湾の潮汐表では、干満差が約3mあるそうなので干潮時の水面は約-1.5m
(正確には、標高の数字は東京湾平均海面が0なので、広島湾の平均水面と標高0mとの間にずれがあるのですが。)
少し余裕を取り、猿猴川の河床は-2.0mというところでしょうか。
そして、市案では広電トンネルは有効高6.5mとされていて、天井スラブ厚を1.5mとし、2mの離隔をとると、猿猴川下の軌道面は [-2-2-1.5-6.5=] 標高-12.0m これは、広島駅地下15mと同じ高さです。
つまり、広島市案の条件では、地下駅から猿猴川を超えるまでは同じ高さのトンネルを進むことになります。

稲荷町交差点は標高2.4mなので、猿猴川下との高低差は14.4m この条件で4.5%の勾配とした場合、必要な勾配区間の長さは320mとなります。
一方で、猿猴川南側から、稲荷町交差点の横断歩道までは約290mですので、4.5%の勾配では稲荷町交差点の横断歩道を潰さなければなりません。
(直線距離で測ると、猿猴川から相生通りまで310m程度なので、この差分は線路が駅前大橋を避けるためのカーブで調整しているかと。)
これで緩和勾配をとると、勾配区間が猿猴川から相生通りまでの間に収まらなくなってしまいます。

となると、やはり4.5%でトンネルの勾配を収めるのは無理がある(ギリギリカツカツ)と思いますがいかがですか?

> また、高架ルートでも橋に手を加えないよう北詰から勾配を立ち上げたら別の数値が出るのではないでしょうか
こちらについては、市検討案でも、駅前大橋の上から勾配区間になるものとして図が描かれていますので、私の案も同様、というところです。
なので、市の案と私の案では上がりきったところの軌道面の高さが異なるのかなと考えています。
(私の考えていた、「駅前交差点上6.5m」は、桁下4.7mを取るにはぎりぎりの数字ですので。)

いろいろと計算をした結果、
「猿猴川下では広島駅と同じ地下12m以上に浅くできない」
「猿猴川から稲荷町交差点までの距離と高低差は45‰でギリギリカツカツ」
「地下案の勾配を45‰に抑える場合、稲荷町交差点の横断歩道は廃止しなければならない」
「高架案については、市案とめりみり案で、広島駅高架の高さが異なるのではないか」

という4点に思い当たりました。

これを図面化してみました。
120205_planbycitygov2.png
※誤りに指摘を頂いたので、差し替えました。[2012/02/05,05:16]→前バージョン
■地下案について
やはり猿猴川下から稲荷町交差点までの勾配は45‰でギリギリでした。
そして、その中間にある「京橋町10番交差点」では、ギリギリでトンネルの上端が地下に入っています。
このため、仮に市の検討のように猿猴川の下に2mの空間を空けずに、広電トンネルの深さを浅くしても、
稲荷町交差点から潜り出して京橋町交差点で潜り切るには45‰以上の勾配が必須ということになりました。
つまり、地下案で勾配を緩くするのは物理的に不可能です。

■高架案について
私の検討では桁高を1.5mしか取っていなかったので、さすがに薄すぎだったのかもしれません。
そこで、桁高を2.3mとした上で、勾配45‰の高架案を描いて見ました。
(2.3mとは半端なのですが、この高さならASSE 3階の床面とホームの高さが揃うのです)
その結果、必要な勾配区間は100m以下でASSEとの間には140m以上の水平区間ができるということになりました。
対して、広島駅構内で必要な水平区間は90mで(広島市の資料より)、通路に10mとっても100mなのですから、
残りの40mをつかえば、高架案で勾配を緩くするのは物理的に容易です。


ところで、実は広島市へ質問をしていたところ、正式な回答をいただくことが出来ました。

めりみり 様

このたびは、路面電車の駅前大橋ルートについてお問い合わせいただき、ありがとうございます。

 路面電車の駅前大橋ルートについては、「広島駅南口広場再整備に係る基本方針検討委員会」を平成22年8月に設置し、検討を進めています。

 御質問いただきました具体的な検討内容については、交通事業者等で構成する連絡調整会議において検討中であり、現時点で、お答えできるのは、以下のとおりです。ご了承ください。

 まず、高架案・地下案の勾配については、運行事業者である広島電鉄から、最大で4.5%と聞いておりますので、高架案・地下案とも4.5%の勾配で検討しています。
 また、めりみり様が試算されています高架案の勾配についても、市で検討に使っている図面をお示しすることはできませんが、勾配区間は、駅前大橋南詰から路面電車の電停までと考えています。

 次に、連絡調整会議についてですが、この会議には広島電鉄も交通事業者として参加しており、協力して協議・調整を行っています。
なお、現時点での概略検討段階では、技術的に問題とされている事項について、各案とも課題はあるものの、対応可能であると考えています。具体的な手法については、今後詳細な検討を進める中で整理していきたいと考えています。

今後とも、本市交通行政の推進に御理解と御協力をいただきますよう、お願いいたします。

平成24年2月1日
道路交通局都市交通部公共交通計画担当課長 堀田 稔


お忙しい中ご回答くださったこと、改めて御礼申し上げます。

この中で、広島市がとても重要な内容を答えています。
まとめれば、
・高架案、地下案ともに4.5%なのは、広電が最大で4.5%まで電車が登れると言っているから
・高架案の勾配区間は、駅前大橋南詰から広電の電停まで
・連絡調整会議には広電が参加している
・技術的には各案とも課題はあるが対応可能

の4点です。

まず、高架案、地下案ともに4.5%なのは、広電が最大で4.5%まで電車が登れると言っているから
というのは、広電が最近言っていることと明らかに矛盾しています。
4.5%では電車が勾配を登れないからこそ、高架案を否定していたのではないのですか?
(もっとも、地下案で4.5%より緩くするのは物理的に不可能ですけれど。)

それと、高架案の勾配区間は、駅前大橋南詰から広電の電停まで
という長さで勾配をとると、どう考えても勾配は4.5%より緩いのですがいかがでしょうか。
(4.5%だとずいぶん余裕があるのは、今日アップした図面のとおりです)
なお、広島市が検討に使っている図面は(今のところは)公開できないそうですので、ここは推測でしか検証できないですね。
しかし、私の計算もとりあえずは間違っていないはずなので、この違いはなんなのか気になるところです。
  1. 2012/02/04(土) 04:42:03|
  2. 広電駅前大橋ルート
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プロフィール

めりみり

Author:めりみり
広島に暮らす、建築設計屋さんの下っ端です。
技術職の端くれとして奮闘しながら、
頭の片隅でひとり温めていた「街づくりの話」を書きだしてみます。

ご意見、ご質問はどなたでもお気軽に書いてください。
ご指導も、ご指摘もぜひぜひよろしくお願いいたします。

コメントには書きづらい話題がある、めりみりと個人的に情報交換したい、などという場合は、「非公開コメント」を活用ください。
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