*Hiroshima-Terminal* 広島駅と都市開発について考えてみます

大きく変化しつつある広島駅の計画を中心として、広島の街について考えてみたいと思います。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

広電駅前大橋ルート(19) - 「路面電車の駅前大橋ルートに係る技術的検討業務」がついに開始

*まずはいつもあてにならない(^-^;)予告から*

本業のほうが多忙な時期に入ってしまい、このブログはまた休業してしまっていましたが、その間に色々な動きがありましたので、追って取り上げて行きたいと思います。

■広島駅自由通路(橋上駅)着工
■白島新駅設計不良(予算オーバー)の発覚
■B・Cブロック事業計画確定



*では本題*

ふがじんさんのTwitter(@fugajin)からの情報で気づいたのですが、
広島市の調達情報に今日(2012/06/15)付けの入札情報として、
「路面電車の駅前大橋ルートに係る技術的検討業務」
なるものが記載されています。
(詳細は広島市調達情報公開システムより、検索することで誰でも見ることができます。)


では、内容を具体的に確かめてみましょう。
まず、公告によると、
本業務は、路面電車の駅前大橋ルート(稲荷町交差点から駅前大橋を経由し、広島駅に至るルート)について、技術的な実現可能性を検証するため、高架案及び地下案の構造検討を行うものである。
と、いうことで、高架案・地下案いずれについても実際の工事を前提とした構造の検討を行うことになっています。

つまり、この業務によって私がさんざん議論の対象にしていた、
地下案は構造的に現実的なものなのかどうか、
高架案はどのような構造によって実現できるのか、
という2点がようやく明確になるわけです。
(地平案がないのは、信号や駅前広場の面積の都合であまり現実的でないため検討しないというよりは、駅前大橋が既に路面電車の荷重を考慮しているなどの理由で、土木技術的には検討の必要がないほど容易、というところでしょうか)


さらに詳細の内容は、「特記仕様書(検討業務編)」に文章で説明されていますが、

(1) 路面電車高架案の検討

路面電車の高架案は、駅前大橋の一部を改良し、路面電車軌道桁を整備するとともに、駅前広場に高架で進入する案である。

ア 駅前大橋の構造

・駅前大橋軌道桁について、設計計算及び断面検討を行う。
この結果を踏まえ、駅前大橋の下部工及び基礎工の耐力照査を行う。

イ 駅前大橋北詰~広島駅部区間の構造

・駅前大橋北詰~城北通りの標準桁について、設計計算及び断面検討を行う。
この結果を踏まえ、駅前大橋北詰~城北通りの下部工・基礎工について、設計計算及び断面検討を行う。
・城北通り跨線部~広島駅部区間の構造物については、類似事例から部材を想定する。
この結果を踏まえ、城北通り跨線部及び広島駅部の下部工について、照査(地震時の検討)を行う。
・以上の結果を踏まえ、南口地下広場の耐力照査を行う。

ウ 橋梁一般図作成

・高架案の橋長、支間割りを行い、橋梁形式を選定する。

エ その他

・上記ウを基に、概算工事費を算出する。
・広島駅部の橋りょうについては、広島の玄関口であることから、デザインについても景観性に配慮すること。
・騒音等の環境への影響を検討し、必要に応じて対策案を検討する。

(2) 路面電車地下案の検討

路面電車の地下案は、開削工法での整備を考えており、開削トンネルを前提とした一般図を作成するとともに概算工事費を算出する。また、地下広場躯体への影響や施工方法等を検証する。

とのことで、両案共に、現実の工事を前提とした内容で
構造を検討し、図面を作成し、概算工事費を算出する
ものになっています。

とくに高架案が詳しく記載されているのは、既存道路橋から取り付けられること、既存地下空間の上に建設されること、路面電車の終点駅を含むことなど一般的な高架橋と異なる点が多いからだろうと推測します。
しかしその一方で「広島の玄関口であることから、デザインについても景観性に配慮すること」の一文のように、広島市では高架案のほうがよいと考え、その弱点を克服しようと考えられているのではないかと思いたくなる部分があります。
(地下案については、地上からの掘割も、川の下を潜ることも、既存地下空間の下を通ることも、地下鉄工事ではよくある条件でしょうから多くを語るまでもないとは言えるはずですが。)


そして、「委託業務設計書」としてこの業務内容を細分した項目が記載されているのですが、

【路面電車高架案】

・駅前大橋軌道桁検討
・駅前大橋下部工耐力検討
・駅前大橋基礎工耐力検討
・広島駅部標準桁及び下部工・基礎工検討
・南口地下広場耐力照査(その1)
・南口地下広場耐力照査(その2)
・橋梁一般図作成及び概算工事費算出

【路面電車地下案】

・地下案一般図作成及び概算工事費算出
・地下広場躯体影響検討


ということで、技術的に大きな問題となる駅前大橋・既存地下広場への影響について検討することが必要されています。
これらの検討は資料として提供される駅前大橋・既存地下広場の構造計算書を使用するようです。
(これらを検討するのは当然必要なことですが、重要なことにもかかわらず検討されていなかったことでした。)


このような検討がないと、そもそも高架案・地下案が実現できるかどうかを判断できないわけで、今から検討するのはあまりにも遅いのではないか、と思うところですが、
とにかく、これまで混迷し続けていた駅前大橋ルートの建設が、ようやく現実化してきた、と歓迎いたします。


それにしても、この業務の完了日が10月末なんてことは、やっぱり今年夏に決定するのも不可能なんだって決定しましたね。
これも予想通り、というほかありませんが、この調子なら着工はいつになることやら………
スポンサーサイト
  1. 2012/06/16(土) 00:10:47|
  2. 広電駅前大橋ルート
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<白島新駅(1) - 白島新駅の工期延期・予算超過は「斬新な」設計案が一因?? | ホーム | 広電駅前大橋ルート(18) - 景観に配慮した高架駅のつくりかた>>

コメント

まだそんな段階?

夏にはルート決定と思っていましたが…遅延ムードプンプンに辟易です。広電側がJRと景観に配慮すればおのずと高架になると思うのですが…。

地下なら市電離れが起きると思います!
  1. URL |
  2. 2012/06/16(土) 02:25:42 |
  3. 京橋ラバー #-
  4. [ 編集 ]

はじめまして。
ようやく前進するんですね。地下案と高架案を同時に行うということは、広電側も譲歩する気が無いように思いますが、まずは事業の前進を歓迎したいです。
それにしてもまた結論の延期が前提とは…情けない限りです。
  1. URL |
  2. 2012/06/16(土) 10:45:01 |
  3. カナデ #nweTVk8E
  4. [ 編集 ]

更新お疲れ様です。

具体的な道筋が見えたことにひとまず安心です。が、やはりまた当初の予定より遅れるんですね・・・

まあ、もう慣れたんでどうも思いませんけど(笑)

一方で、こういった技術的見地が全くない状態で広電や市が今まで言い合っていたことに、少々呆れてしまうのも事実ですね。

主体的に物事を進めようという意志や、リーダーシップが無いためにずるずると計画が伸びるのは広島の十八番なんでしょうか。

松井市長にそれを求めるのは・・・・・・難しい話ですかね(^_^;)
  1. URL |
  2. 2012/06/16(土) 14:18:40 |
  3. きゆう #-
  4. [ 編集 ]

> 京橋ラバー さん

はじめまして。コメントありがとうございます。
またまた決定が遅れることが決定した(変な表現ですけれど)のには、「やっぱり」という気持ちと、「呆れた」という気持ちがありますね。

地下案が市電離れを起こすのも同意します。
広島駅周辺のメイン動線が高架(ASSEの3階)になる以上、地下案では路面電車の利便性を著しく悪化させるのは明らかですから。
  1. URL |
  2. 2012/06/17(日) 17:19:23 |
  3. めりみり:Author #Ds6ejpp2
  4. [ 編集 ]

> カナデ さん

こちらこそはじめまして。

今回の件の趣旨は、「高架案」と「地下案」の技術的な実現性とそれにかかる費用をはっきりさせることにあるようです。
広電の譲歩はまだ引き出せる状況にないみたいですが、この業務が終了し、両案の詳細が明らかになれば、その結果によって広電も譲歩せざるを得なくなるでしょう。
(このブログの「広電シリーズ」に書いているとおり、高架案に比べ地下案のほうが技術的に困難な条件が多いと予想される上、費用と動線計画の問題は明らかに高架案有利ですから。)
  1. URL |
  2. 2012/06/17(日) 17:25:57 |
  3. めりみり:Author #Ds6ejpp2
  4. [ 編集 ]

> きゆう さん

> が、やはりまた当初の予定より遅れるんですね・・・
「やはりまた」という以上に合う表現がありませんね。
これから3年で広島駅周辺の開発は大きく動きますが、広電の改良はそれに遅れることが確実でしょう。
同時期に、連動して開発するのが最も合理的で効果的なはずですが、そうならないのは非常に残念です。

今までも書いてきたことではありますが、広電がそこまでして地下案に拘る理由が不明なのです。
広電側は「単純に物理的・技術的理由で高架案は不可能」だと繰り返し言っていますが、
この業務で(仮に)"高架案は物理的・技術的に容易で費用も安価"という明快なものの広電の主張とは完全に矛盾する結論が出れば、広電はどのような主張を考えることになるのでしょうかね。
  1. URL |
  2. 2012/06/17(日) 17:38:41 |
  3. めりみり:Author #Ds6ejpp2
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する
※非公開コメントの場合はメールで返信しますので、メールアドレスをご記入ください※

トラックバック

トラックバック URL
http://hiroshimaterminal.blog.fc2.com/tb.php/24-a88fa517
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

めりみり

Author:めりみり
広島に暮らす、建築設計屋さんの下っ端です。
技術職の端くれとして奮闘しながら、
頭の片隅でひとり温めていた「街づくりの話」を書きだしてみます。

ご意見、ご質問はどなたでもお気軽に書いてください。
ご指導も、ご指摘もぜひぜひよろしくお願いいたします。

コメントには書きづらい話題がある、めりみりと個人的に情報交換したい、などという場合は、「非公開コメント」を活用ください。
非公開コメントには原則としてメールでお返事させていただいています。

リンク・トラックバックは、許可不要ですが、
報告をいただければ大変嬉しいです。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

すべてを見る (34)
広島駅周辺 (1)
広電駅前大橋ルート (26)
広島駅橋上化・自由通路 (1)
白島新駅 (2)
旧市民球場跡地 (1)
二葉の里区画整理 (1)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。