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*Hiroshima-Terminal* 広島駅と都市開発について考えてみます

大きく変化しつつある広島駅の計画を中心として、広島の街について考えてみたいと思います。

広電駅前大橋ルート(21) - 広島市案?を元に考えてみると…

まず、広電広島駅の高架案について、広島市が出していた検討資料(→pdf)の中に、「高架案イメージ」として高架駅のCGパースがあります。
120916_plan_by_hiroshimacity.png
(c)2011 広島市

この絵を基にして、私が平面図化したものを、以前の記事で取り上げていました。
そして、そのしばらく後に、GKさんよりこの記事のコメントとして、以下の指摘を頂きました。

(めりみり各案について、高架の水平区間がどれだけの長さ必要か、という話題で)
広島市案予想図では、両渡り線&分岐(55m)+ホーム(35m)=80mとなり、35‰でも駅ビルとの距離を25m取って勾配と両渡り線のあいだの余裕を15m作れるので広島港並みのゆったりした両渡り線&分岐がちょうどいいサイズになります。



というわけで、広島市案をもとに、この指摘や後から判明した内容を加えて描いてみました。
グリーンムーバーより大型の電車に対応できる有効45mのホーム、乗降分離、30mの渡り線、
という、余裕をもった条件を満たしたとしても、この市案を基にしたプランなら、
35‰(!)という、現在の広電路線と同等の勾配で実現可能です。
120913_viaductplan_d.png
※この図面は作成中ですので、プランCほどの精度では描いていません。

もちろん、別のところでスペースを切り詰めたためプランCに比べて不利な点はありますが、いずれにしても高架案が現実的である、という論拠にできるのではないでしょうか。
↓これがプランC
120806_viaductplan_c.png


<9/16追記>

これら、プランCとプランDはそれぞれに利点と欠点があるため、整理したいと思います。
また、プランDは市案を原型として改良したものですので、プランDの特徴は市案の特徴と読み替えることもできるでしょう。


(以下の「特徴」を読む際、上にあげた平面図とはプランC・Dの上下が逆ですのでご注意ください。)

■プランCの特徴
・乗車ホームが1面であるため乗客にとってわかりやすい
・到着する電車と発車する電車との交差を避けているため渋滞を起こしにくい(比治山線の到着は他方面の発車と交差しますが、本数が少ないので…)
・渡り線の前に、混雑時用降車ホームを設置しているため、混雑を緩和できる
・降車専用ホームは「宮島線」「宇品線」「江波線」の3系統に対応。車外清算のためすべてのドアから一斉にスムーズな降車ができる。
・車外改札は「宮島線」「宇品線」「江波線」の3系統分が1か所へ集中している
・ホームの総延長が長いため、移動距離が長い
・一方、各ホームの有効長は連接車が入るちょうどの長さで、車両を大型化する余地がない
・駅施設が広いため高架の面積が大きく、建設費がやや高くなる。
・高架の水平区間が長くなるため高架の取り付け勾配が急になる。(とはいえ45‰未満)
・駅ホームの大部分が道路上のため、道路上に大規模な架構(立体トラス)が必要

■プランDの特徴
・乗車ホームが2面になるため乗客にとってわかりづらい(一応、「原爆ドーム経由」と「広島港行き」とで分けていますが、八丁堀・紙屋町に向かう乗客はどっちで待てばいいのやら…)
・渡り線で到着する電車と発車する電車とが頻繁に交差するため渋滞を起こしやすい
・スムーズな客捌きができる降車専用ホームは「宮島線」「宇品線」の2系統に対応。「江波線」「比治山線」は乗降兼用ホームで車内清算。
・車外改札は「宮島線」「宇品線」の2系統分がそれぞれ分かれている
・ホームの総延長がプランCより短いため、移動距離が短い
・一方、乗客の多い「宮島線」「宇品線」のホームを10m長くしたため、電車の大型化に対応できる(交差点間隔の関係で、すぐには無理な話ですが。)
・プランCに比べ駅施設がコンパクトで高架の面積が小さく、建設費が抑えられる。
・高架の水平区間が短いため高架の取り付け勾配を35‰に抑えられる。
・道路上に一部の分岐がかかるが、通常の高架構造(上路橋)で対応可能と考えられる


まとめると、
プランC:乗客にとってわかりやすいホーム配置、電車の渋滞や乗客の混雑を起こしにくい
プランD:シンプルでコンパクトな駅構造、将来的な状況変化に対応できる
といったところでしょうか。

<9/16追記ここまで>

※先週土曜日(9/8)の中国新聞に「JR西日本の広島支社長が広電高架案を推している」との内容の記事が出たことは承知しています。このこともまた取り上げるつもりですので、よろしくお願いします。
この記事については、鯉党αさんの「鯉党のひろしま街づくり日記」が先に取り上げていらっしゃるのでご紹介します。
鯉党のひろしま街づくり日記:駅前広場、基本方針は年内に。広電乗り入れも
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  1. 2012/09/13(木) 16:21:15|
  2. 広電駅前大橋ルート
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  4. | コメント:1
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コメント

めりみり様
広島駅は駅ビルの建替えまで事実上決まりましたが、想像図では新駅ビルの中にまで乗り入れていますね。
プランCは電車を遅らせず現状のように送り出すためには必須の案ではないかと思うのですが、
ビル内に入ることを考えもう少し奥(右)に寄せた場合を想定するととてもいい案が出来上がるのではないでしょうか。
連接2本か、連接+低床3連接が乗車aホームから同時に発車できるようになるのではないかと思います。
  1. URL |
  2. 2014/09/16(火) 17:02:00 |
  3. C-42 #-
  4. [ 編集 ]

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技術職の端くれとして奮闘しながら、
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