*Hiroshima-Terminal* 広島駅と都市開発について考えてみます

大きく変化しつつある広島駅の計画を中心として、広島の街について考えてみたいと思います。

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広電駅前大橋ルート(5) - 越智社長の指摘する「高架案の技術的問題」

これまでに書いた「広電シリーズ」の内容から、電車が昇り降りできるのかという点では、広電の主張する「地下案」よりも「高架案」のほうがむしろ現実的だということがわかりました。

高架案の問題点としてよく挙げられていたのがこの勾配の問題でしたが、広電は別の問題点も指摘しています。
1月7日の中国新聞6面に、ちょうどいい記事がありましたのでご紹介します。
120108_chugoku-np.jpg
同じ記事をWeb版では見つけられませんでしたので、読みづらいかもしれませんが写真で掲載します。

広島駅南の路面電車新路線「可能なのは地下案」

―広電社長インタビュー

JR広島駅南口(広島市南区)に乗り入れる路面電車の新路線「駅前大橋線」の構造について、広島電鉄の越智秀信社長は中国新聞のインタビューで、「可能なのは地下案だけ」との見解を表明した。同社は独自に総事業費を約140億円と試算して上で、約1割を負担する考えがあることを明らかにした。

<中略>

駅前大橋南側と南口広場の間を高架で結ぶ案は「急勾配で電車が上がれない。予定地の下には地下街があり重い高架を支え切れない」と説明。「現実に可能な選択肢は地下案しか無い。地下案でやるかやらないかだ」と述べた。

<中略>

地下案は稲荷町交差点北側から地下に入り、南口広場の地下に新設する電停に乗り入れる

<中略>

越智社長の見解について、市道路交通局の高井巌局長は「現段階では3案を平行して検討しており、絞るまでに至っていない」と述べた。市は総事業費を250億~300億円と見込み「広電の試算額では収まらない」としている。


私が気になった部分の抜粋をテキストに起こしました。

元旦の記事と同じく、越智社長は「地下案のみが実現可能」と主張していらっしゃり、さらに「地下案でやるかやらないか」しかないとおっしゃっています。
やはり、高架案については「急勾配で電車が上がれない」とおっしゃっていますが、市の試算した地下案や、それを基にした私の試算では、地下案のほうが高架案より厳しい条件(急な長い勾配)になっています。

ですので、私は「広電の試算では、市の試算よりも勾配が緩やかになる条件があるのではないか」と思い、広電案として有り得そうな条件として、下記の条件のどちらかかと予想していました。
→稲荷町交差点北側ではなく、稲荷大橋と稲荷町交差点の間(稲荷町電停付近の相生通)から地下に入る
→南口広場地下の駅前広場のさらに下ではなく、エールエール地下2階A・Bブロックの間にあるビジョンがついた広場空間に地下駅をつくる(猿猴川が浅いことが前提です)

しかし、この記事には市検討案(と、私の試算)と全く同じく、稲荷町交差点北側から地下に入り、南口広場の地下に新設する電停に入ると記載されています。
さんざんお示ししたとおり、この条件だと、高架案より緩い勾配にすることは物理的に不可能です。
少なくとも45‰(市の試算)、稲荷町交差点付近に緩い勾配の区間が必要だとすると55‰(私の試算)の勾配が、この条件では必要になってしまいます。

また、広電と市の試算額の食い違いについては、私には専門外なのでどちらが妥当なのかはわかりません。
ただ、広電案のほうがトンネルが浅く短いから広電案のほうが安いと言うことではなさそうです。
いずれにしろ非常に気になる問題ではあるので、私も注視していこうかと思います。
(ホンネ:広電側のコンサルさんはどなた?市側は検討委員会に広島の地場のコンサルさんが入っていますが…)


ところで、この記事で越智社長は地下案に関するもう一つ重大な問題を提起していらっしゃいます。
「予定地の下には地下街があり重い高架を支え切れない」という問題です。
たしかに、高架橋は見るからに重たい構造物で、それを支えるためにかなり大きな柱を必要とするのは皆さんが普段から目にしているとおりでしょう。
また、越智社長は指摘していませんが、駅前大橋の上に高架へ上がる坂をつくることも技術的な大問題です。

長くなりましたので、高架橋をどうつくるかについては、記事を改めて取り上げてみましょう。
(次の更新は8日中には難しいかもしれません。そう遅くないうちに書きます。)


~メモ書きがわりに~
ネットで色々見ていると、「高架案でも、小倉駅のモノレールのように駅ビルの中に線路を通して二葉の里へ広電を伸ばせるのではないか」との提案をなさる方が何人かいらっしゃいました。
これは二葉の里へ都心の範囲を広げるためには、絶好の提案だと思いますし、このブログを始めるまで私もそう思っていました。
しかし、もうすでに広島駅自由通路の設計ができてしまって、進行方向を塞がれた以上、仮に現在の駅ビルASSEからの建て替えがあっても高架案では二葉の里への延伸はできません。
[PDF]広島駅自由通路(2階橋上駅舎)の設計図
もう少し早く動けばよりよい形を提案できたのではないかという後悔が少々あります。。。

対して地下案では、二葉の里への延伸はASSEの建て替えを前提とすれば十分に可能です。
なので、「二葉の里への延伸はASSE建て替え後も不可能である」ということが、私の思い当たる高架案の唯一の難点です。
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  1. 2012/01/08(日) 02:24:11|
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広島に暮らす、建築設計屋さんの下っ端です。
技術職の端くれとして奮闘しながら、
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