*Hiroshima-Terminal* 広島駅と都市開発について考えてみます

大きく変化しつつある広島駅の計画を中心として、広島の街について考えてみたいと思います。

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広電駅前大橋ルート(21) - 広島市案?を元に考えてみると…

まず、広電広島駅の高架案について、広島市が出していた検討資料(→pdf)の中に、「高架案イメージ」として高架駅のCGパースがあります。
120916_plan_by_hiroshimacity.png
(c)2011 広島市

この絵を基にして、私が平面図化したものを、以前の記事で取り上げていました。
そして、そのしばらく後に、GKさんよりこの記事のコメントとして、以下の指摘を頂きました。

(めりみり各案について、高架の水平区間がどれだけの長さ必要か、という話題で)
広島市案予想図では、両渡り線&分岐(55m)+ホーム(35m)=80mとなり、35‰でも駅ビルとの距離を25m取って勾配と両渡り線のあいだの余裕を15m作れるので広島港並みのゆったりした両渡り線&分岐がちょうどいいサイズになります。



というわけで、広島市案をもとに、この指摘や後から判明した内容を加えて描いてみました。
グリーンムーバーより大型の電車に対応できる有効45mのホーム、乗降分離、30mの渡り線、
という、余裕をもった条件を満たしたとしても、この市案を基にしたプランなら、
35‰(!)という、現在の広電路線と同等の勾配で実現可能です。
120913_viaductplan_d.png
※この図面は作成中ですので、プランCほどの精度では描いていません。

もちろん、別のところでスペースを切り詰めたためプランCに比べて不利な点はありますが、いずれにしても高架案が現実的である、という論拠にできるのではないでしょうか。
↓これがプランC
120806_viaductplan_c.png


<9/16追記>

これら、プランCとプランDはそれぞれに利点と欠点があるため、整理したいと思います。
また、プランDは市案を原型として改良したものですので、プランDの特徴は市案の特徴と読み替えることもできるでしょう。


(以下の「特徴」を読む際、上にあげた平面図とはプランC・Dの上下が逆ですのでご注意ください。)

■プランCの特徴
・乗車ホームが1面であるため乗客にとってわかりやすい
・到着する電車と発車する電車との交差を避けているため渋滞を起こしにくい(比治山線の到着は他方面の発車と交差しますが、本数が少ないので…)
・渡り線の前に、混雑時用降車ホームを設置しているため、混雑を緩和できる
・降車専用ホームは「宮島線」「宇品線」「江波線」の3系統に対応。車外清算のためすべてのドアから一斉にスムーズな降車ができる。
・車外改札は「宮島線」「宇品線」「江波線」の3系統分が1か所へ集中している
・ホームの総延長が長いため、移動距離が長い
・一方、各ホームの有効長は連接車が入るちょうどの長さで、車両を大型化する余地がない
・駅施設が広いため高架の面積が大きく、建設費がやや高くなる。
・高架の水平区間が長くなるため高架の取り付け勾配が急になる。(とはいえ45‰未満)
・駅ホームの大部分が道路上のため、道路上に大規模な架構(立体トラス)が必要

■プランDの特徴
・乗車ホームが2面になるため乗客にとってわかりづらい(一応、「原爆ドーム経由」と「広島港行き」とで分けていますが、八丁堀・紙屋町に向かう乗客はどっちで待てばいいのやら…)
・渡り線で到着する電車と発車する電車とが頻繁に交差するため渋滞を起こしやすい
・スムーズな客捌きができる降車専用ホームは「宮島線」「宇品線」の2系統に対応。「江波線」「比治山線」は乗降兼用ホームで車内清算。
・車外改札は「宮島線」「宇品線」の2系統分がそれぞれ分かれている
・ホームの総延長がプランCより短いため、移動距離が短い
・一方、乗客の多い「宮島線」「宇品線」のホームを10m長くしたため、電車の大型化に対応できる(交差点間隔の関係で、すぐには無理な話ですが。)
・プランCに比べ駅施設がコンパクトで高架の面積が小さく、建設費が抑えられる。
・高架の水平区間が短いため高架の取り付け勾配を35‰に抑えられる。
・道路上に一部の分岐がかかるが、通常の高架構造(上路橋)で対応可能と考えられる


まとめると、
プランC:乗客にとってわかりやすいホーム配置、電車の渋滞や乗客の混雑を起こしにくい
プランD:シンプルでコンパクトな駅構造、将来的な状況変化に対応できる
といったところでしょうか。

<9/16追記ここまで>

※先週土曜日(9/8)の中国新聞に「JR西日本の広島支社長が広電高架案を推している」との内容の記事が出たことは承知しています。このこともまた取り上げるつもりですので、よろしくお願いします。
この記事については、鯉党αさんの「鯉党のひろしま街づくり日記」が先に取り上げていらっしゃるのでご紹介します。
鯉党のひろしま街づくり日記:駅前広場、基本方針は年内に。広電乗り入れも
  1. 2012/09/13(木) 16:21:15|
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広電駅前大橋ルート(20) - 改めて、広電広島駅について考えてみます。

<8/1 8/6 追記あり>

長らくお休みしてすみません。
駅前大橋ルートについては、先月の記事で紹介した「技術的検討業務」が始まり、ついに本格的に動き出した感があります。

この「技術的検討業務」は7/2に開札があり、株式会社建設技術研究所さんが落札しています。
そろそろ、資料調査や基本的な検討を始めているころでしょうか。

ちなみに、この入札は下記のように、大手土木系コンサル4社が応じていました。
株式会社建設技術研究所 中国支社 ― 6,062,775円(決定くじ)
ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社 広島支店 ― 6,062,775円
復建調査設計株式会社 広島支社 ― 7,900,000円
パシフィックコンサルタンツ株式会社 中国支社 ― 8,784,000円


広電広島駅は(特に高架案の場合)広島駅とのASSEを介した接続をどのようにするかが重要な問題の一つになりますから、
ASSE(2000年の改修工事)や新自由通路の設計者であるJR西日本コンサルタンツさんが落札するといいのかなと思っていましたが、
同額のくじ引きで他のコンサルが落札した形になりました。
JR側は高架案推しという面があったことを考えると、中立的に評価してくれそうなのでこれはこれでいい気がします。


このブログでは駅前大橋ルートの技術的な検討や広電広島駅の設計案を公開してきました。
(まぁ、「業務」で行われるものとは比べるべくもない、甘々な素人検討ではありますが)
今回の「技術的検討業務」やいずれ行われるであろう実施設計では、ここに掲載してきた内容について私の権利を主張するつもりはありません。
むしろ、私案や私見が実際の駅前大橋ルート計画に影響を与えられたのだとしたら本望です。
(というより、私の書いてきたことがどれほど正確で、どれほど誤りか、ということが明らかになるのが楽しみです。)
ですから、これらの業務に携わる方に参考にしていただけたら、というつもりで書き進めます。
(ちなみに、やっぱりというか、建設技術研究所さんの社内からもこのブログを見られていました。)


さて、ここからが本題です。

この駅前大橋ルート、とくに広電広島駅がどうあるべきか、ということは、過去にもたびたび取り上げてきました。
(というより、このブログのメインテーマだったりしますね・(^o^;) )
とくに、約半年前には、高架案の広電広島駅についてプランA・プランBとして図面化していました。

高架案プランA・プランB

しかし、これを描いて以降もさらなる条件が明らかになってきたので、改めて整理し、図面化していきたいと思います。


<8/1 追記ここから>

明らかになった条件のうち、大きなものは広島市と広電への質問から浮かび上がった内容です。

広島市への質問と回答→記事
広電への質問と回答→記事

これらから浮かんできた条件は、
・電車の運行上、問題ない勾配の上限は45‰(旧型電車でも45‰までは走行可能)
・(広電曰く、)高架上に滞留スペースを広く取る必要が有るため、高架案では45‰の勾配に収まらない
というところでした。


他の条件としては、
・広電電車の荷重条件はアストラムラインなどの小型電車と同等なので、高架の構造や桁高も同等と考えられる→記事
・「広い高架構造」は、高架下が暗く見えることが避けられなさそう→上と同じ記事
・降車ホームはできる限りまとめ、「改札口」をつくったほうがよい→「プランA」に対するご意見
・電車が複雑に折り返す構造は分岐部分が長くなる上、運転に手間がかかり無駄が多い→「プランB」に対するご意見

といったところでしょうか。


<8/6 追記ここから>

というわけで、以前のプランAを基に、これらの条件を考慮した案を描いてみました。
プランAを利用したのは、広島市検討案とは全く異なる形状だったことと、プランBは無駄が多く難しいこととが理由です。
しかし、考えてみると、もとのプランAとはかなり違うものになりました。

120806_viaductplan_c.png

プランAとどう変えたのか、ということを中心に新しいプランCの特徴を書きますと、

・JRとの連絡通路の出口に30m×25mの立体噴水広場を計画
 →広島人にはお馴染みの「噴水広場」を継承して、プランAに滞留スペースが無いことを解消した。
・降車ホームを(できる限り)車外改札に
 →メインの降車ホーム(a・b)を車外改札としたことで、折り返し時間を短縮。比治山線用のc・混雑時用のdは状況に応じて車内改札と「出口の係員」で対応。
・高架橋の高さはASSEの3階に合わせる
 →現在の駅ビルASSEを利用することが前提になるため、広電の駅はASSEに合わせることでできるだけスムーズな動線を計画。同時に、駅前交差点の有効高も確保できる。
・高架橋が1階広場と重なる部分に、複数箇所の吹抜をとる
 →高架下は暗くなりがちなので、「立体噴水」を含めて複数の吹抜をとって影響を緩和。あるいは高架下を商業施設化することも考えられる。
・ホーム部分の高架橋は立体トラスで構成
 →広場や通路を確保したため、ホームの大半が道路上へ。道路上の長スパンが幅広の高架になってしまうため、この部分は立体トラスとして構造を成立させる。

と、こんな具合でしょうか。
  1. 2012/07/24(火) 23:52:55|
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広電駅前大橋ルート(19) - 「路面電車の駅前大橋ルートに係る技術的検討業務」がついに開始

*まずはいつもあてにならない(^-^;)予告から*

本業のほうが多忙な時期に入ってしまい、このブログはまた休業してしまっていましたが、その間に色々な動きがありましたので、追って取り上げて行きたいと思います。

■広島駅自由通路(橋上駅)着工
■白島新駅設計不良(予算オーバー)の発覚
■B・Cブロック事業計画確定



*では本題*

ふがじんさんのTwitter(@fugajin)からの情報で気づいたのですが、
広島市の調達情報に今日(2012/06/15)付けの入札情報として、
「路面電車の駅前大橋ルートに係る技術的検討業務」
なるものが記載されています。
(詳細は広島市調達情報公開システムより、検索することで誰でも見ることができます。)


では、内容を具体的に確かめてみましょう。
まず、公告によると、
本業務は、路面電車の駅前大橋ルート(稲荷町交差点から駅前大橋を経由し、広島駅に至るルート)について、技術的な実現可能性を検証するため、高架案及び地下案の構造検討を行うものである。
と、いうことで、高架案・地下案いずれについても実際の工事を前提とした構造の検討を行うことになっています。

つまり、この業務によって私がさんざん議論の対象にしていた、
地下案は構造的に現実的なものなのかどうか、
高架案はどのような構造によって実現できるのか、
という2点がようやく明確になるわけです。
(地平案がないのは、信号や駅前広場の面積の都合であまり現実的でないため検討しないというよりは、駅前大橋が既に路面電車の荷重を考慮しているなどの理由で、土木技術的には検討の必要がないほど容易、というところでしょうか)


さらに詳細の内容は、「特記仕様書(検討業務編)」に文章で説明されていますが、

(1) 路面電車高架案の検討

路面電車の高架案は、駅前大橋の一部を改良し、路面電車軌道桁を整備するとともに、駅前広場に高架で進入する案である。

ア 駅前大橋の構造

・駅前大橋軌道桁について、設計計算及び断面検討を行う。
この結果を踏まえ、駅前大橋の下部工及び基礎工の耐力照査を行う。

イ 駅前大橋北詰~広島駅部区間の構造

・駅前大橋北詰~城北通りの標準桁について、設計計算及び断面検討を行う。
この結果を踏まえ、駅前大橋北詰~城北通りの下部工・基礎工について、設計計算及び断面検討を行う。
・城北通り跨線部~広島駅部区間の構造物については、類似事例から部材を想定する。
この結果を踏まえ、城北通り跨線部及び広島駅部の下部工について、照査(地震時の検討)を行う。
・以上の結果を踏まえ、南口地下広場の耐力照査を行う。

ウ 橋梁一般図作成

・高架案の橋長、支間割りを行い、橋梁形式を選定する。

エ その他

・上記ウを基に、概算工事費を算出する。
・広島駅部の橋りょうについては、広島の玄関口であることから、デザインについても景観性に配慮すること。
・騒音等の環境への影響を検討し、必要に応じて対策案を検討する。

(2) 路面電車地下案の検討

路面電車の地下案は、開削工法での整備を考えており、開削トンネルを前提とした一般図を作成するとともに概算工事費を算出する。また、地下広場躯体への影響や施工方法等を検証する。

とのことで、両案共に、現実の工事を前提とした内容で
構造を検討し、図面を作成し、概算工事費を算出する
ものになっています。

とくに高架案が詳しく記載されているのは、既存道路橋から取り付けられること、既存地下空間の上に建設されること、路面電車の終点駅を含むことなど一般的な高架橋と異なる点が多いからだろうと推測します。
しかしその一方で「広島の玄関口であることから、デザインについても景観性に配慮すること」の一文のように、広島市では高架案のほうがよいと考え、その弱点を克服しようと考えられているのではないかと思いたくなる部分があります。
(地下案については、地上からの掘割も、川の下を潜ることも、既存地下空間の下を通ることも、地下鉄工事ではよくある条件でしょうから多くを語るまでもないとは言えるはずですが。)


そして、「委託業務設計書」としてこの業務内容を細分した項目が記載されているのですが、

【路面電車高架案】

・駅前大橋軌道桁検討
・駅前大橋下部工耐力検討
・駅前大橋基礎工耐力検討
・広島駅部標準桁及び下部工・基礎工検討
・南口地下広場耐力照査(その1)
・南口地下広場耐力照査(その2)
・橋梁一般図作成及び概算工事費算出

【路面電車地下案】

・地下案一般図作成及び概算工事費算出
・地下広場躯体影響検討


ということで、技術的に大きな問題となる駅前大橋・既存地下広場への影響について検討することが必要されています。
これらの検討は資料として提供される駅前大橋・既存地下広場の構造計算書を使用するようです。
(これらを検討するのは当然必要なことですが、重要なことにもかかわらず検討されていなかったことでした。)


このような検討がないと、そもそも高架案・地下案が実現できるかどうかを判断できないわけで、今から検討するのはあまりにも遅いのではないか、と思うところですが、
とにかく、これまで混迷し続けていた駅前大橋ルートの建設が、ようやく現実化してきた、と歓迎いたします。


それにしても、この業務の完了日が10月末なんてことは、やっぱり今年夏に決定するのも不可能なんだって決定しましたね。
これも予想通り、というほかありませんが、この調子なら着工はいつになることやら………
  1. 2012/06/16(土) 00:10:47|
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広電駅前大橋ルート(18) - 景観に配慮した高架駅のつくりかた

前回に引き続き、高架についての話をします。
前回記事では、アストラムラインの高架を参考にして高架構造について分析してみましたが、アストラムの高架の構造、とくに桁高を決める上では重要な荷重の条件を広電に当てはめられるのか?、という問題がありました。
(前回記事へ きゆう さんが「路面電車の場合は高架にかかる負担が新交通よりも軽く済む・・・はず(?)だと思う」とコメントされていました。)

それに対し、私は以下のようにお返事しました。

それと、路面電車のほうがアストラムや日暮里・舎人ライナーより軽いのではないか、と言うことについては、路面電車では複数の電車が間隔を詰めて走ることがよくありますので、1スパンに掛かる荷重では大差ないのではないか、と考えることもできます。

アストラムの電車は1両約10.5tあるそうなので 10.5t/8m=1.3t/m となりますが、
(参照:http://astramline.co.jp/HRT1000.pdf
グリーンムーバーは1編成33.9tありますので 33.9t/30m=1.1t/m となり、アストラムよりやや軽い程度です。
旧型の電車(例・700型)では、13.5mの電車が20.0tだということで、 20.0t/13.5m=1.5t/m とアストラムより重くなります。
(もちろん、電車は厳密には等分布荷重ではありませんが、簡単に比較するために等分布のように考えて略算しています。また、この比較では乗客の重さは含んでいません。)

結局、アストラムと同等の荷重条件で高架を考えればよさそうです。


ということで、広電高架はアストラムや東京にある日暮里・舎人ライナーと同条件になりそうだと試算しました。

ここで、「日暮里・舎人ライナー」が登場したのは、きゆうさんから、軽快な高架橋の例として日本土木工業協会の紹介記事を紹介いただいたからです。
120513_dobokukyoukai.jpg
(C)2006 平野暉雄/社団法人日本土木工業協会

この高架橋について設計指導を担当なさった篠原修先生(東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻教授)は、高架橋と景観について以下のように述べていらっしゃいます。

のんべんだらりと続く高架橋は、デザインの対象として最もやっかいな部類に属する。どこまでも延びていくので形としてまとめにくい。これが一つ。
大抵はさほど広くない街路にはめ込もうとするので、きゅうくつになり圧迫感を生ずる。これが二つ。
交差点を飛ぶところでは大スパンとなり、また右折レーンなどの影響もあって橋脚がすっきりと立たない。つまり不連続となる。三つ目。
特にボリュームが大きくなる中空の駅舎をどうおさめるか。四つ目。
数え上げていけばきりがない。


このご意見には、皆さん納得なさるのではないでしょうか。
「三つ目」「四つ目」については、前回取り上げたアストラムの写真が物語っています。
120430astram-2ss.jpg120430astram-3ss.jpg

先に取り上げた写真を見る限りでは、これに対する回答として、
・橋桁の幅を最小限にし、薄いスラブが持ちだされた形態にすることで量感を抑える
・シンプルな形態で、橋桁との視覚的連続性のある橋脚
ということを考えてデザインされたものということのようです。
なお、先の写真では高架橋が全体に透け、光を通していますが、工事中でスラブを作っていない(PC板を張っていない?)ためにこのようになっているだけのようです。
(写真と同じ場所のストリートビューで、完成後の様子を確認できます。)

たとえば、「三つ目」の交差点付近、右折レーンを回避する箇所についても、アストラムラインのように大きな梁が出ることを避けたデザインをされています。
120513_googlesv.jpg
(googleストリートビューより)


別の参考例として、岡山駅西口にできた高架タクシー乗り場を取り上げます。

タクシー乗り場と広電高架は荷重条件が違う(タクシー乗り場のほうが軽い)と予想されますが、広電高架駅と同様に比較的低い高さに平面的に広がる高架であるため、圧迫感が出てしまいかねません。
大きな構造物を街に調和させながら、内部の圧迫感をどのように軽減するか、という点に着目してご覧ください。

120513okayamasta-1.jpg
外見では、木ルーバーを表面に出すことで、コンクリートの高架を直接意識させないようにしてあります。
しかし、高架下が暗く見えることは避けられなかったようです。

120513okayamasta-2.jpg
高架下に入ると、外からみた印象よりはずいぶん明るい空間で、照明に加え、数か所の吹き抜けから採光されています。
また、高架下にはいっても天井部分は梁やスラブを直接見せないようにアルミルーバーやパネルが張られています。

120513okayamasta-3.jpg
吹き抜けのうちのひとつは、2階(駅・自由通路・タクシー乗り場のレベル)へ上がる竪穴として取られ、高架下への採光のためにエスカレータの上部が全面ガラス張りの天窓になっていることがわかります。

120513okayamasta-4.jpg
中心の車路の部分にも大きな吹き抜けが取られていて、ここからも光が入ります。
構造的なスパンとは関係なく、機能面から吹き抜けの位置が決まったように見えます。
(もっとも、この高架は正確なグリッド構造ではないようなのですが。)

120513okayamasta-5.jpg
上階のタクシー乗り場は木で仕上げられた開放感のある屋根で覆われています。
人の通行量に比べてかなり広い広場空間が取られていますが、広電高架駅でもホーム前にこの程度の広場(人溜まり)が必要かもしれません。
  1. 2012/05/13(日) 23:26:26|
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広電駅前大橋ルート(17) - 「整備計画は混沌と」…日経新聞の記事より

=追記内容があります=

昨日(5月8日)、GKさんよりのコメントで、日経新聞の記事を紹介頂きました。
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C889DE6E3E3E0E5E7EBE2E2E5E2E7E0E2E3E09E91E2E2E2E2

JR広島駅の整備計画混沌 路面電車新線、3案動かず

2012/5/8 2:46

 JR広島駅周辺の整備計画が混沌(こんとん)としている。広島電鉄が駅前南口で計画する新路線「駅前大橋線」は、広島市が提示したJRの駅に乗り入れる際の構造を巡り選定が難航。北口ではバス、タクシー乗降場などを巡り、市の再編案に業界団体が難色を示す事態が起きている。

■距離と時間短縮

 「広島電鉄の広島駅前新線計画は全国でも注目度が高い」。4月14日、超党派の国会議員で構成するLRT(次世代型路面電車)推進議員連盟は広島駅周辺を視察し、議連として、新線の設置を支援していくことに意欲を示した。議員視察には広電やJR西日本広島支社などの幹部が広電の路面電車に同乗。市中心部の町並みや交通体系について説明した。

 広電が新線を計画するのは市中心部と広島駅南口を結ぶ路線の時間短縮を図るためだ。現在は、広島駅に向かう際、東側に大きく迂回(うかい)しているが、路面電車のため駅周辺でのバスやタクシーなどの混雑に巻き込まれやすい。広島駅に直線で進む新線を設置し、稲荷町の電停から広島駅までの距離を現行の800メートルから200メートル短縮、市中心部からの所要時間も15分程度を約5分短縮したい考えだ。

 広島市は2010年8月、駅前南口の再整備計画を話し合う検討委員会を設置。道路上を通る「平面案」(事業費30億円)、南口地下広場の下を通る「地下案」(同250億~300億円)、南口広場に高架を設置して駅ビルの2階部分に上る「高架案」(70億~100億円)を提示している。

 平面案は事業費が最も少なく抑えられるというが、タクシーやマイカーなどを含めた駅前の交差点が混雑することが想定される。高架案は路面電車が斜面の走行に耐えられるかが課題を残す。地下案では設計が可能かどうかの判断も必要となる。

 広電の越智秀信社長は「高架案は急勾配で上れないし、平面は渋滞を招く可能性がある。可能なのは地下案だけだ」と強調。事業費も140億円と想定している。一方、JR西日本広島支社の杉木孝行支社長は「広島駅のメーンの乗り換えの動線は2階のため、(高架化案が)有効だと考えている」と話している。

 広島市道路交通局公共交通計画担当の品川弘司課長は「3案が技術的に可能かどうかを検討している」としており、今夏にも技術的な検証結果を提示する予定。事業者からは広島の街のあり方に大きな影響があるにもかかわらず、結論が出ないまま月日がたってしまったことだけに「早く結果を出してほしい」との声が高まっている。

■北口でも課題

 北口の交通計画も難航している。現在、北口は西側がバスとマイカー、東側がタクシーの広場だが、西側をバスとタクシーに東側をマイカー専用に再編する計画。だが、業界団体は市に「接触事故などの安全面の課題が多い」との要望書を提出した。

 北口では「二葉の里地区」の開発、南口でも大型の商業施設やマンション開発の計画も進む。これら再開発のあり方も新しい交通体系の影響を大きく受けるだけに、その整備を急ぐ機運は一層の高まりを見せている。



前段の内容はこれまでの広電駅前大橋ルートをめぐる経緯と現状について、よくまとまった解説になっています。
「平面案」(私は、実際には平面ではない、との意味を込めて「地平案」と呼んでいますが…)、「高架案」、「地下案」それぞれの利点・弱点とそれをめぐる市・広電・JRそれぞれの主張がわかりやすく記載されています。

しかし、内容自体はこれまでこのブログで取り上げてきた情報と変わらず、
コメントでも指摘いただいたとおり、目新しい動きは一切見えませんね

=5/12追記=
と、書いた後日に、「鯉党のひろしま街づくり日記」さんで同じ記事を紹介されているのをみてハッとしました。
JRは、これまで出て来なかった広島支店長さんが、「広島駅のメーンの乗り換えの動線は2階のため、(高架化案が)有効だと考えている」と表明されています。
(以前の中国新聞の記事では、JR側の意見を述べたのは企画課長さんでした。)

JRが橋上化し、広電が高架化した場合、ASSEを貫通して連絡通路を設けなければ支店長のおっしゃる「有効な動線」ができないわけですから、
JRには、ASSEを改修する用意がある
と解釈するのが自然ではないでしょうか?

=追記部終わり=


また、北口についてはこの記事や、少し前の中国新聞の記事で触れられているとおり、広島市案に対してタクシー・バスの業界団体が反発している構図があります。
その一方で、全体計画の見えないままに広島駅自由通路(橋上駅)は設計が終了して、(一応)着工しているという半端な状況があります。
北口・南口を含めた全体像をまとめるためには予断を許さないはずですが、なにもかもがモタモタしていてもどかしいのです。


そして、白島新駅の中途半端さの二の舞が見えそうで怖くなります。
(白島新駅は、アストラム開業時に整備していれば、JR線路のすぐ南側をホームにできたはずですが、そうならなかったために勾配区間を避けるためにJRから250m離れた、城北駅にかなり近い位置にホームができます)
  1. 2012/05/09(水) 22:44:30|
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めりみり

Author:めりみり
広島に暮らす、建築設計屋さんの下っ端です。
技術職の端くれとして奮闘しながら、
頭の片隅でひとり温めていた「街づくりの話」を書きだしてみます。

ご意見、ご質問はどなたでもお気軽に書いてください。
ご指導も、ご指摘もぜひぜひよろしくお願いいたします。

コメントには書きづらい話題がある、めりみりと個人的に情報交換したい、などという場合は、「非公開コメント」を活用ください。
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