*Hiroshima-Terminal* 広島駅と都市開発について考えてみます

大きく変化しつつある広島駅の計画を中心として、広島の街について考えてみたいと思います。

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広電駅前大橋ルート(24) - 広電高架と広島駅新ビル

<12/28 追記・内容整理>

ついにJRが「広電が高架になる場合、ASSEを建て替える必要がある」と表明したそうです。
→詳しくは「鯉党のひろしま街づくり日記」さんで
高架案の実現に向けて、"高架案は(いろいろ理由があって)不可"という広電からみると「外堀が埋まってきた」といえる状況になりました。


広電「駅前大橋線」は2案

2012/9/9 中国新聞 →元記事

広島市は20日、広島電鉄(中区)が構想する路面電車の新路線「駅前大橋線」について、JR広島駅南口(南区)へ乗り入れる構造を高架か地下の2案から選ぶ方針を明らかにした。交通渋滞の懸念から平面案は見送る。駅前大橋線に接続する比治山線も新たな見直しルート案を示した。市は本年度中に、路面電車の乗り入れ構造を含めた広島駅南口広場再整備の基本方針を決める方針でいる。

~中略~

駅前大橋線の乗り入れ方式は、広島駅南口広場再整備の焦点の一つ。1月以降、有識者でつくる市の検討委員会が、高架か地下の2案のどちらかに絞り込む予定でいる。

この中国新聞記事によると、次回の「南口広場検討委員会」は1月以降で、今年度中に広電のルートを決定だそうなので、そこで「技術的検討業務」の結果が明かされ、広電が言っていた「高架案は技術的に不可能」という主張が崩れることが濃厚です。
このためか、広電は現在、地下案推進の理由として技術的な内容以外のさまざまな理由を主張しています。

また、「高架案が可能」となる理由でこれまでの私の予想では取り上げていなかった点も明らかになっています。技術的検討業務の一部と思しき高架橋脚の図が「鯉党」さんが紹介されている若林議員のWebサイトに記載されていますが、これが広島市の当初案よりはるかに容易な構造であるという点です。これについては、後日別記事で解説します。


そうなれば、やっと高架案での駅前大橋ルート建設が進められることになるでしょう。
(ただ、中国新聞に出る「いつ検討委員会が行われて、いつルート案が決定」という情報は、今まで全く当てにならなかったのですが。)


そこで、おなじみの予想図です。
以前出したD案の全高架案をもとに描いていますが、建設費の安い駅前大橋までの高架でも駅構造は同じになります。

121225_viaductplan_d.png

まず、この図の前提条件を挙げます。
・JR橋上駅舎と自由通路の設計を変えない
(自由通路-広電高架駅の接続部は一部変更していますが、自由通路より広電高架駅の竣工が遅くなると予想して、現在の設計のまま完成したものを使用してから、新たな接続部を付加する形になるとします。)
・広電高架の高さは標高10.5m(旧ASSE3階レベル)
(自由通路の高さと揃うのが理想ですが、そうすると桁高1.5m程度となるため駅前交差点での長スパンが困難です。そのためとりあえず技術的に無難な高さとしています。)
・駅ビルは段階的に建て替え、商業施設、JRの業務機能を維持する
(自由通路の完成に合わせて広電駅前大橋ルートを整備するためには、ASSEの機能を速やかに移転させられる低層ビルを先行整備するのが不可欠でしょう。図の「新南東ビル」はそのためのビルです。)


そして、焦点となる駅ビル建替えの方法についてですが、順調に計画・設計・施工が進んで下記のような流れになるかと予想します。
もう着工している橋上駅舎・自由通路以外は、こんなに順調には行かないと思いますが・・・
1,橋上駅舎着工(2012年7月)
2,ASSE駐車場部分解体(2014年10月ごろ)
3,新南東ビル東半分着工(2015年1月ごろ)
4,橋上駅舎を跨線橋として仮使用開始、現跨線橋解体(2015年4月ごろ?)←勝手な予想ですのでご注意
5,自由通路着工(2015年10月ごろ)
6,新南東ビル東半分竣工(2016年1月ごろ)
7,広電駅前大橋ルート・広電広島駅着工(2015年10月ごろ)
8,新南東ビル1期(ASSE移転)オープン、ビル1階仮改札・ビル地下新業務施設使用開始(2016年3月ごろ)
9,ASSE残り部分解体、新南東ビル西半分・広電JR接続部・新南西ビル着工(2016年5月ごろ)
10,自由通路竣工、橋上中央改札使用開始(2017年4月ごろ)←自由通路の全工期が2017年8月末です
11,新南東ビル西半分・広電JR接続部竣工(2017年11月ごろ)
12,新南東ビル2期拡大オープン、広電駅前大橋ルート開業(2017年12月ごろ)
13,新南西ビル商業施設オープン、南改札使用開始(2018年3月ごろ)
14,新南西ビル高層部竣工、オフィス使用開始(2019年3月ごろ)


駅ビルの内容は色々と考えられますが、近年の駅ビル開発をみると、百貨店の不調とファッションビル・大型専門店の好調がよく伝えられています。
(代表例は大阪ステーションシティのLucuaと三越伊勢丹の関係ですね)
このことから、商業施設部分は現在のASSEを発展させ、橋上駅舎・新幹線駅舎内の商業施設と一体化させた大型ファッションビルと、大型専門店との組み合わせが現実的ではないでしょうか。
大型専門店としては立町の東急ハンズの移転を予想してみます。
東急ハンズのある東映ビルは老朽化が進んでいる上、上層の映画館部分を余している、7階だけエレベーターが通じないなど、構造的に解決できない問題点があります。
そのためいずれ東映ビルの建て替えが必要になり、東急ハンズは立ち退く事になるでしょう。
それなら、東急ハンズは基町のロフトと商圏の住み分けができる広島駅に移転することが十分あり得ると思います。


この案での課題は、広電広島駅の高さでしょうか。
広電広島駅が自由通路・橋上駅舎の高さと合っていないために段差解消の処理が必要でした。
自由通路は十分な長さがとれたので大型スロープと幅広階段で対応していますが、南改札内は十分なスペースが取れず、階段とつづら折りのスロープになってしまいました。
また、このために新駅ビルの1階階高が高くなっているのも気になるところです。
(近年の大型ビルでは、この程度の階高も珍しくないので、コストを別にすれば大きな問題ではありませんが。)


以下、この追記をする前にコメントを頂いているので返信を兼ねて説明を書きます。
>広島県廿日市市に住んでる さん
車線については、中央分離帯の緑地帯を線路に置き換えることになるので、減りません。
緑地帯より複線の軌道のほうが幅広ですが、車線幅を少し狭くすれば十分対応できます。(狭くするといっても、相生通りの電停付近や平和大橋のような狭さにはならないかと。)

仮駅舎については、上に書いた説明のようにビルの段階的建て替えで対応できると思います。
(図に書いたらもっとわかりやすいでしょうけれど・・・すいません。)
>きゆう さん
おっしゃるように、ペデストリアンデッキがなければ、景観的に大変すっきりしたものになりますし、地下広場のキャパシティも活かすことができます。
ですので、私もA・Bブロックへのペデは悩むところでした。
(Cブロックはマツダスタジアムの関係でペデ一択ですけれどね・笑)

バスのりばとのスムーズな連絡をかんがえると、Aブロックへのペデは不可欠で、AとCにペデがつくなら、Bにペデがないのはおかしいし、と考えて今の形になっています。
もう少し考えたいところですね。
  1. 2012/12/26(水) 00:30:37|
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旧市民球場跡地(1) - 「旧市民球場跡地活用のイメージについて」広島市プラン

連載化するかは未定ですが、市民球場跡地について気になるニュースが出たので、メモ書きがわりに載せます。

広島市の「旧市民球場跡地委員会」のページ(→リンク)に、今日開催された第5回委員会の資料がアップされています。

この中で、5つのおおまかなプランが簡単なイメージ図とともに示されています。(→リンク
■A案・緑地広場機能
・A-1案「イベント広場」→リンク
・A-2案「スポーツチャレンジフィールド」→リンク
■B案・文化芸術機能
 (劇場・ホール・伝統芸能・サブカル など)
・B-1案「中規模文化施設」→リンク
・B-2案「大規模文化施設」→リンク
■C案・スポーツ複合機能
 (サッカー・コンサート等可能な人工芝スタジアム)
・C案「ヒューマンパレス」→リンク

いろいろツッコミどころはありますが、全案をざっと見てみると、緑地広場案にはとくに魅力が感じ取れません。

この資料では評価軸として、「広島市の活性化に資するか」を大項目に挙げ、その小項目に下記を挙げています。
・賑わいの創出につながること
・国内外からの集客が見込まれること
・周辺地域との連携による相乗効果が期待できること
・将来の社会環境の変化に対応できること
緑地広場2案については、これのいずれも満たさない、という他ないでしょう。

「イベント広場」案については、あのような芝生広場は、郊外の公園では全くありふれたもので、道路を挟んだ反対側の中央公園にさえとてもゆったりとした芝生広場があるものです。
単なる芝生広場との差異化のために"イベント広場"としているのでしょうが、菓子博のような大規模屋外型イベントは日常的にあるものではなく、不自然に広いイベント広場は閑散とするだけで使いにくいのではないでしょうか。
類例として、代々木公園や東京ミッドタウンのイベント広場を挙げていますが、緑地広場案2ha(20,000㎡)に対し、代々木公園のイベント広場が10,000㎡、ミッドタウンの芝生広場が940㎡です。
どんなイベントをすれば、この広大な広場が賑わって見えるのでしょうか?

「スポーツチャレンジ…」は、名前が大げさですがこれも郊外の公園ではごく一般的な運動広場です。

つまり、緑地広場2案はどこにでもあるもので、広島市内でさえ同様の広場は枚挙に暇がないものです。
集客性も相乗効果もあったものではなく、賑わいを生むとはいえないし、将来の社会環境の変化に耐える普遍的な価値などありはしないのです。

と、あまりにも厳しく言いましたが、ここまでの感想はほとんどの方が直感的に思ってしまうのではないでしょうか。

他の案についても、また色々言いたいです。(やっぱり連載化?)
  1. 2012/11/06(火) 22:37:27|
  2. 旧市民球場跡地
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広電駅前大橋ルート(23) - プランDの改良と、「全高架案」の検討

以前の記事で概略をアップしたプランDを少し改良してみましたのでご紹介します。
また、県警が比治山線のルート変更を要請したことに絡めて、高架を稲荷町交差点まで延長した案(全高架案、と呼ぶことにします)をあわせて検討してみました。

121028_viaductplan_d.png

※プランDと合わせて全高架案を描いたのですが、「プランDで駅前大橋までの高架」や、「他プランの全高架案」も可能です。

■プランDについて
以前挙げた特徴は以下です。
・乗車ホームが2面になるため乗客にとってわかりづらい(一応、「原爆ドーム経由」と「広島港行き」とで分けていますが、八丁堀・紙屋町に向かう乗客はどっちで待てばいいのやら…)
・渡り線で到着する電車と発車する電車とが頻繁に交差するため渋滞を起こしやすい
・スムーズな客捌きができる降車専用ホームは「宮島線」「宇品線」の2系統に対応。「江波線」「比治山線」は乗降兼用ホームで車内清算。
・車外改札は「宮島線」「宇品線」の2系統分がそれぞれ分かれている
・ホームの総延長がプランCより短いため、移動距離が短い
・一方、乗客の多い「宮島線」「宇品線」のホームを10m長くしたため、電車の大型化に対応できる(交差点間隔の関係で、すぐには無理な話ですが。)
・プランCに比べ駅施設がコンパクトで高架の面積が小さく、建設費が抑えられる。
・高架の水平区間が短いため高架の取り付け勾配を35‰に抑えられる。
・道路上に一部の分岐がかかるが、通常の高架構造(上路橋)で対応可能と考えられる

この案の利点をを残しながら、「渡り線で到着する電車と発車する電車とが頻繁に交差するため渋滞を起こしやすい」と言う点を改良したものが、今日の図面です。
具体的には、以前の案では渡り線が1箇所ですべての電車が集中したため、たとえば江波線の到着と宮島線の発車を同時にすることができませんでした。
これを改良し、渡り線を2つにしたことで、電車どうしの交差を最小限にしました。

また、プランCにあわせ、ペデストリアンデッキを追記しています。


■全高架案について
全高架案は、広島駅から稲荷町交差点までをすべて高架とし、広島駅前交差点に加え、駅前大橋南詰、京橋町10番の2つの交差点を立体交差した案です。
高架の延長が長くなるため、建設費や景観については不利になりますが、
地下案に比べて少ない建設費でありながらスピードアップが可能で、道路交通への影響を抑えられる利点があります。

全高架案の場合、高架の延長が長い分、高架案より緩やかな勾配になるかと考えたのですが、交差点を超える箇所があるため上下の勾配が付き、最大の勾配は45‰となり、結局他案と同等という結果になりました。
ただし、緩和勾配をとった上で45‰にしたため、実質的には地下案より緩勾配な条件となっています。

地平案や高架案の場合、交差点付近の車線数が減ることが懸念されましたが、この全高架案では現在並の車線数を確保しました。
(このため、駅前大橋南詰交差点付近ではビームにより高架を支持しています)

駅前大橋付近では長スパンを飛ばしながら美観を考える必要があるかと思い、軌道を駅前大橋と平行な形状とした上、上路式アーチで支える形態としてみました。
また、地下広場を跨ぐ部分に関しても同じ考え方とし、2連アーチを構成させています。

ただ、この駅前大橋部分に関しては、既存の駅前大橋とは全く荷重条件が変わってしまうので、今の橋台とは別に基礎を作る必要がありそうです。
このためには、駅前大橋の橋台を一部撤去しなければならないので、技術的に可能かどうかを検討する必要がありそうです。
(これができるかどうかを検討するのは私にはできません。)
  1. 2012/10/28(日) 17:28:28|
  2. 広電駅前大橋ルート
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広電駅前大橋ルート(22) - 新聞記事いろいろ、そして比治山線のルート

また、予告からしばらく空いてしまいました。
その間にも動きがあったので、少し取り上げてみます。


広電駅前大橋線「高架案」を

2012/9/9 中国新聞 →元記事

広島電鉄(広島市中区)が構想する新路線「駅前大橋線」について、JR西日本広島支社の杉木孝行支社長はこのほど、JR広島駅(南区)南口に乗り入れる構造は「高架案が最善」との見解を明らかにした。JR線への乗り換えの利便性などを考慮したとしている。

杉木支社長は2017年度に広島駅2階に南北自由通路を整備する計画に触れ「最短でJRから広電に乗り換えられる案が優れているのではないか」と言及。路面電車の乗り入れ場所は、自由通路に近い方が利便性が高いと説明した。

駅前大橋線の開通時期は「自由通路の完成からできるだけ早い時期が望ましい」とした。また乗り入れに伴う駅の改修については「現状で対応しきれない部分は努力していきたい」と述べた。

広電の越智秀信社長はこれまで、地下で広島駅に乗り入れる案が実現性が高いとの見方を示している。杉木支社長の発言については「バスやタクシー、マイカーの交通処理など、総合的に判断して慎重に検討を進めるべきだ」と話した。

一方、市は道路上を走る「平面」を加えた3案について、技術的な検証を進めている。市道路交通局都市交通部は「有識者などでつくる検討委の議論などを経て、市として最終的な方針を決める」としている。

JRの支社長さんが「広電は高架が良い」と言っていたのは、以前にもここで取り上げたことがあるのですが、(→記事リンク)さらに一歩踏み込んで、「対応しきれない部分への努力」つまり、ASSEの改修か、もしかしたら建替えに前向きだと表明したことになります。

一方の広電は、高架案に反対し、地下案しかないと言っていた理由である「技術的理由」に触れていません。
この記事にも一文触れられている通り、広島市が技術的検討業務を出しているので、この結果によっては、広電が言っていた技術的理由が成立しないことになります。(私は、そうなる可能性が非常に高いとみています。)
広電が「これまでの主張を完全に否定する事実が明かされること」を気にして、これまでの主張とは別の理由を語っていると読み取るのは、邪推でしょうか。


駅前大橋線3案を比較検討へ

2012/9/13 中国新聞 →元記事

広島市は12日の市議会都市活力向上対策特別委員会で、JR広島駅南口広場(南区)の再整備の基本方針を年内に決定する考えを示した。広島電鉄(中区)が構想する路面電車の新ルート「駅前大橋線」の乗り入れ方式を「高架」「地下」「平面」の3案の中から決め、基本方針に盛り込む。

再整備は路面電車のホームやバス、タクシー乗り場を利用者が使いやすいよう改善するのが狙い。2010年度、有識者の検討委員会を設け、議論してきた。

基本方針で大きなウエートを占めるのが、駅前大橋線の路面電車が駅前大橋から駅南口に乗り入れる構造だ。

市はこの日、3案について技術的に可能かどうか調査した上で10月以降、検討委が3案から最終案を絞り込む、とのスケジュールを説明。その後、乗り入れ方式を含む南口広場再整備の基本方針を決めるとした。

この内容は、以前に紹介していた(→記事リンク)「技術的検討業務」を踏まえた内容ですが(特に下線部)、技術的検討業務の納期は10月末なので、実質的に検討委員会が開けるのは11月以降、というスケジュールがはっきりしている以上、年内に最終案とやらを決定できるかも難しいところです。
ですので、「10月以降に決定する」との発表は、いつもながら怪しい表現に見えます。


そして、最近の記事をひとつ。

広電駅前大橋線に県警が難色

2012/10/14 中国新聞 →元記事

広島市による広島電鉄の路面電車の新路線「駅前大橋線」の検討で、同線に接続するために必要となる比治山線の路線変更に、広島県警が難色を示している。「交通渋滞が悪化する」として別ルートが必要と主張。駅前大橋線の在り方の議論に影響する可能性がある。

県警が問題視しているのは、広島駅と広島港を結ぶ比治山線の駅前大橋線への接続方法。市の検討では、現在の的場町電停付近から駅前大橋線まで、比治山通り上に約200メートル、新たな線路を敷き、現在の猿猴橋町などを通るルートから変更する。

県警によると、線路を敷く比治山通りは1日2万2千台以上の車の通行がある。高橋若衛交通部長は「電車を通すと車線が減り、混乱を招く」と説明。比治山線の比治山下電停付近から駅前通りに向けて軌道を新設し、稲荷町で駅前大橋線に接続する別の新ルートを提案する。

市は、駅前大橋線の乗り入れ方式を「平面」「高架」「地下」の3案で検討しており、県警、広島電鉄などと協議してきた。年内に3案を絞り込む方針。ただ、比治山線の接続方法の本格的な議論はこれまで行われていないという。
中国新聞より画像:中国新聞

最近、鯉党αさんの記事で話題になっていた問題です。
(→鯉党のひろしま街づくり日記-広島県警、駅前大橋線に懸念

県警が提案している、稲荷町から比治山下へ抜けるルートは、比治山線のショートカットとなる上、駅前大橋線から比治山線への接続方法が難題の一つであったことを考えると、合理的な解決策となる案です。
新聞記事では、「比治山線の接続方法の本格的な議論はこれまで行われていないという」とあるように、比治山線の接続方法はほとんど議論されていなかったのですが、駅前大橋ルートを検討する際に重要な内容であることに違いありません。

とくに地下案では、比治山線のルート変更を行わないとすると、本線のトンネルに加え、もうひとつのトンネルを掘らなければならず、地下案の建設費が高額になる重要な要因でした。
また、以前からこのブログで行っていた「断面検討」では、比治山線地下案の勾配検討はしていなかったのですが、
・比治山線側の勾配区間延長が本線より短い(本線:約310m 比治山線:約180m)
・比治山線側の交差点間隔が本線より短い(本線:京橋町10番~稲荷町が170m 比治山線:猿猴橋南詰~的場が120m)
・比治山線側のトンネル出口が本線より標高が高い(本線稲荷町:2.3m 比治山線的場町:4.3m)
参考地図
この3点より、本線地下案より勾配が急な条件となり、本線でも勾配45‰ギリギリであった以上、比治山線の地下化は(県警案の)ルートへ変更しない限り、物理的に不可能です。
なお、この条件を計算してみると、比治山線地下案の勾配は79.4‰!!!ということになりました。
(なので、45‰で可能、として、建設費を計算していた広島市の資料はなんだったのか、ということにもなりますね。)

県警が提案しているこのルート変更は、合理的ではあるのですが、解決が困難な問題点がいくつかあり、単純に高評価はできません。
比治山線のルート変更は鯉党αさんの記事に詳しいとおり、将来整備が計画されている段原線・東雲線へ接続しなくなりますし、猿猴橋町・的場町・段原一丁目の廃止電停をうまく代替する必要も出てきます。
(比治山線のルート変更を行わない場合でも猿猴橋町は廃止ですが、的場町が近いうえ、高架・地平案では駅前大橋電停を新設できるため、問題にならないでしょう。)

私個人としては、段原線完成後に、比治山線を県警案と同じ松川町まわりへ移設し、広島港方面への直結ルートと位置付けるのが、最も良いのではないかと考えます。
(なお、段原線で代替して比治山線を廃止する、との説もあるのですが、大きく離れているので段原線開通後も比治山線を残すべきだと考えています。)


というわけで、比治山線のルート変更を行わず、車線減少による渋滞を緩和する方法を考える必要があります。
このポイントになるのは、広島駅への自動車の出入りであり、駅前広場を含めた計画として考えなければなりません。
広電の線路のため、駅前大橋付近は車線数が減ってしまうのですが、広電が撤去されることになる荒神橋は4車線化できることになります。
荒神橋周りを広島駅の進入路として有効に使うように駅前広場を設計することで、駅前大橋南詰を「右折禁止」とし、渋滞の原因を取り除けないでしょうか。
  1. 2012/10/16(火) 21:42:57|
  2. 広電駅前大橋ルート
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広電駅前大橋ルート(21) - 広島市案?を元に考えてみると…

まず、広電広島駅の高架案について、広島市が出していた検討資料(→pdf)の中に、「高架案イメージ」として高架駅のCGパースがあります。
120916_plan_by_hiroshimacity.png
(c)2011 広島市

この絵を基にして、私が平面図化したものを、以前の記事で取り上げていました。
そして、そのしばらく後に、GKさんよりこの記事のコメントとして、以下の指摘を頂きました。

(めりみり各案について、高架の水平区間がどれだけの長さ必要か、という話題で)
広島市案予想図では、両渡り線&分岐(55m)+ホーム(35m)=80mとなり、35‰でも駅ビルとの距離を25m取って勾配と両渡り線のあいだの余裕を15m作れるので広島港並みのゆったりした両渡り線&分岐がちょうどいいサイズになります。



というわけで、広島市案をもとに、この指摘や後から判明した内容を加えて描いてみました。
グリーンムーバーより大型の電車に対応できる有効45mのホーム、乗降分離、30mの渡り線、
という、余裕をもった条件を満たしたとしても、この市案を基にしたプランなら、
35‰(!)という、現在の広電路線と同等の勾配で実現可能です。
120913_viaductplan_d.png
※この図面は作成中ですので、プランCほどの精度では描いていません。

もちろん、別のところでスペースを切り詰めたためプランCに比べて不利な点はありますが、いずれにしても高架案が現実的である、という論拠にできるのではないでしょうか。
↓これがプランC
120806_viaductplan_c.png


<9/16追記>

これら、プランCとプランDはそれぞれに利点と欠点があるため、整理したいと思います。
また、プランDは市案を原型として改良したものですので、プランDの特徴は市案の特徴と読み替えることもできるでしょう。


(以下の「特徴」を読む際、上にあげた平面図とはプランC・Dの上下が逆ですのでご注意ください。)

■プランCの特徴
・乗車ホームが1面であるため乗客にとってわかりやすい
・到着する電車と発車する電車との交差を避けているため渋滞を起こしにくい(比治山線の到着は他方面の発車と交差しますが、本数が少ないので…)
・渡り線の前に、混雑時用降車ホームを設置しているため、混雑を緩和できる
・降車専用ホームは「宮島線」「宇品線」「江波線」の3系統に対応。車外清算のためすべてのドアから一斉にスムーズな降車ができる。
・車外改札は「宮島線」「宇品線」「江波線」の3系統分が1か所へ集中している
・ホームの総延長が長いため、移動距離が長い
・一方、各ホームの有効長は連接車が入るちょうどの長さで、車両を大型化する余地がない
・駅施設が広いため高架の面積が大きく、建設費がやや高くなる。
・高架の水平区間が長くなるため高架の取り付け勾配が急になる。(とはいえ45‰未満)
・駅ホームの大部分が道路上のため、道路上に大規模な架構(立体トラス)が必要

■プランDの特徴
・乗車ホームが2面になるため乗客にとってわかりづらい(一応、「原爆ドーム経由」と「広島港行き」とで分けていますが、八丁堀・紙屋町に向かう乗客はどっちで待てばいいのやら…)
・渡り線で到着する電車と発車する電車とが頻繁に交差するため渋滞を起こしやすい
・スムーズな客捌きができる降車専用ホームは「宮島線」「宇品線」の2系統に対応。「江波線」「比治山線」は乗降兼用ホームで車内清算。
・車外改札は「宮島線」「宇品線」の2系統分がそれぞれ分かれている
・ホームの総延長がプランCより短いため、移動距離が短い
・一方、乗客の多い「宮島線」「宇品線」のホームを10m長くしたため、電車の大型化に対応できる(交差点間隔の関係で、すぐには無理な話ですが。)
・プランCに比べ駅施設がコンパクトで高架の面積が小さく、建設費が抑えられる。
・高架の水平区間が短いため高架の取り付け勾配を35‰に抑えられる。
・道路上に一部の分岐がかかるが、通常の高架構造(上路橋)で対応可能と考えられる


まとめると、
プランC:乗客にとってわかりやすいホーム配置、電車の渋滞や乗客の混雑を起こしにくい
プランD:シンプルでコンパクトな駅構造、将来的な状況変化に対応できる
といったところでしょうか。

<9/16追記ここまで>

※先週土曜日(9/8)の中国新聞に「JR西日本の広島支社長が広電高架案を推している」との内容の記事が出たことは承知しています。このこともまた取り上げるつもりですので、よろしくお願いします。
この記事については、鯉党αさんの「鯉党のひろしま街づくり日記」が先に取り上げていらっしゃるのでご紹介します。
鯉党のひろしま街づくり日記:駅前広場、基本方針は年内に。広電乗り入れも
  1. 2012/09/13(木) 16:21:15|
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めりみり

Author:めりみり
広島に暮らす、建築設計屋さんの下っ端です。
技術職の端くれとして奮闘しながら、
頭の片隅でひとり温めていた「街づくりの話」を書きだしてみます。

ご意見、ご質問はどなたでもお気軽に書いてください。
ご指導も、ご指摘もぜひぜひよろしくお願いいたします。

コメントには書きづらい話題がある、めりみりと個人的に情報交換したい、などという場合は、「非公開コメント」を活用ください。
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